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緑の回廊プロジェクト
ボッソウ・ニンバの野生チンパンジーを保護するために
植林活動や教育普及活動などをおこなっています。

2005年12月:サバンナに1200本のヘキサチューブを設置しました。


 

 ボッソウのチンパンジーは1群だけで、現在12人だけです。まわりは畑とサバンナに囲まれて孤立しています。すでに過去20年間にわたって、群れを出て行く若者はいても、外からやってきたチンパンジーはいません。まだ子どもが生まれてなんとかなっていますが、このままでは、早晩、死に絶えてしまうでしょう。
 ボッソウから東へ4km行ったところにニンバ山があります。ギニア・リベリア・コトジボアールの3国の国境に位置する山です。標高1720mですが、西アフリカで最も高く、だれでもがその名前を知っていて、日本人にとっての「富士山」のような山です。 3国で唯一、ユネスコの指定する「世界自然遺産」になっています。
 1993年から、ニンバ山のチンパンジーの調査を始めました。密猟者がたくさん入り込んでいて、ニンバ山のチンパンジーはたいへん臆病ですが、それでも4−5群の野生チンパンジーが住んでいることが確認されました。ボッソウのチンパンジーが将来生き残るためには、ボッソウとニンバのあいだを行き来できるように植林を始めました。

緑の回廊プロジェクトについて

 1997年、ボッソウのチンパンジーを保護する活動が始まりました。「緑の回廊」は、地元の人々と協力し、日本政府、ギニア政府、ギニアの日本大使館の援助を受けて、植林を進めています(Hirata et al, 1998)。これは、ボッソウとニンバ山の間のサバンナ地区に、幅300m、長さ4kmにわたって木を植えるというもので、ボッソウのチンパンジーとニンバ山に住むチンパンジーとの往来を可能にすることを目的としています。
 また、村民や難民に対して、ボッソウのチンパンジーの生態を記録したビデオを上映する活動もおこなっています。チンパンジーやそこでおこなわれている研究のことについて、現地の人々によりよく理解してもらうようことを目的としています。さらに、子供たちに対しては、ギニアの公用語であるフランス語で書かれた本を製作し、小学校に配布しています。若い子供たちにチンパンジーや保護について学んでもらうためです。この地域では、教材となる本が不足しているので、このような本を配布することで読み書きなどの能力を高める効果も期待できます。これらのプロジェクトはすべてアフリカに住むチンパンジー保護活動の一環です。

これまでの活動

 1997年1月からボッソウとニンバ山のあいだにある長さ4kmのサバンナに幅300mにわたって植林活動が始まりました。
 まず、サバンナに50m四方の小さな植物園を作り、チンパンジーが食べる実や葉の木を選び、苗木を移植しました。いくつかは枯死しましたが、現地名でコミやソナの木は根づいています。

 1998年から、本格的にサバンナに植え始めました。
 最初の方法は「チンパンジーの糞を利用する」植林です。チンパンジー調査の助手を務める現地のマノンの人たちが考案したユニークな方法です。チンパンジーが飲みこんだ種子は糞の中に出てきます。それが森の中で発芽して小さな苗木になっています。それを村に持ち帰って、ひとつひとつをプラスチックの小さな鉢に植えかえ、水辺の苗床で育てます。30cmくらいに育ったところで、サバンナに移植しました。こうすれば、まちがいなくチンパンジーが利用する木だけを育てられます。

1999年からは、別の方法「マニオク畑から二次林を作る」植林計画も並行して試みています。これも現地の人たちが考案しました。まずサバンナを開墾してマニオクを植えます。マニオクは、現地の人々の主食になるイモです。それを収穫したあと畑を放棄します。そのときに、上記の植林をおこなうとマニオクが強烈な日差しをさえぎり、幼木の育ちが良くなることが分かりました。

2001年、5年前に小さな植物園だったところに、高さ5mものコミの木が育ちました。マニオク畑が放棄されたあとには、高さ4mのルル(ハルンガナ・セネガレンシス)の林ができて、チンパンジーの大好物の茶色い小さな実がたわわに実っていました。よく見ると、5mおきに植えられたソナの木が人の背丈を越えて育っています。小さな「緑の回廊」が育ち始めました。

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